松風では、医薬部外品や化粧品として発売することが可能な「まつ毛に使用することを目的とした製品(まつげパーマ剤、まつげカール剤)」を開発できていないため、発売していません。
システアミンを使用したパーマと同様の酸化還元のメカニズムを行う用剤がありますが、これは、頭髪用の化粧品パーマ液としての使用が認められているものであり、使用に際してのルールも頭髪用と同等です。従いまして、まつ毛に使用するのは適切ではないという見解のため、現時点でそのような製品を発売する予定もありません。
【頭髪用化粧品パーマ液のまつ毛への使用について】
「まつ毛形状を長期間変更する業務用用剤」製品選択時に留意していただきたい点
-
製品の使用方法に関する説明書(教科書や講習資料等)が適正であることが望ましいでしょう。
-
業務用化学物質であるためマテリアルのSDSが必要です。日本語のSDS入手ができる製品であることが求められます。※システアミンの濃度が上限内であることを配合比率で確認すること。
-
メーカーが「本製品はまつ毛パーマ用剤ではない」と断定する保証書や覚書を入手することが望ましいでしょう。
-
医薬部外品製造販売承認(旧:医薬部外品登録)済または化粧品製造販売届(旧:化粧品登録)済の製品であること。※現在、医薬部外品区分あるいは化粧品区分においてもまつげパーマの効果効能を認める製品はありません。
-
製品の訴求に薬機法(化粧品製造販売に遵守すべきすべてのこと、目的外使用推奨)違反及び景表法違反(効果効能外の虚偽や誇大表現、優良誤認、有利誤認)がないこと。
-
白斑問題や成分アレルギー問題等の損害賠償に係る話題はご存知の方も多いと思います。金銭的な問題から責任を負えずに倒産ということが無いよう、良識のあるメーカーであれば万一の保証のため損害賠償保険に入っているのが一般的です。念の為、メーカーがPL保険等で「製品のリコール等を行う場合に適用される保険」に加入しているか否か確認することをお勧めします。メーカーとしては、証明書のコピー等を出すことは容易なことです。そういった控えを取得しておくことが望ましいでしょう。
-
システアミンを使用している製品については、厚労省がシステアミンの曝露量低下を促しています。その数値については生殖発生毒性の危険性回避の観点から「システアミン濃度は5.86%(チオグリコール酸換算で7%)」以下であることとされています。※ただし、これは頭髪用製品への使用の場合であり、まつ毛に使用することは想定されておらず、まつ毛に使用する場合にはこういった定めがありません。このため、上記数値を上限の参考値として良いかどうかは定かではありませんが、低ければ低いほど安全性が高まるものと考えられます。
-
まつげエクステのグルーと比較すると、格段に刺激指数が高く、アレルギー性は天然成分のアレルギーと同等の脅威を示す可能性があります。顧客に使用する場合はパッチテストを行うことを強く推奨します。
-
システアミンを配合する化粧品パーマ液は一般的には頭髪用であるため、「まつげ用」として使用される場合の安全性確保に係る情報はありません。使用に際してはこちらに行政情報(頭髪用として)が詳しく掲載されていますのでご一読ください。
http://www.pref.osaka.lg.jp/kankyoeisei/oshirase/cysteamine.html
最後に、不安が残る場合は保健所に製品を持ち込んでご相談ください。
※質問次第では所轄都道府県庁の薬務課への相談を促されることもあります。
現在、保健所に「美容所で美容師がまつ毛パーマ施術を行うことに問題はないか?」と質問した際に、「問題ない」という場合、「問題ある」という場合、相反する2つの回答が出ることがあると言われています。これは、過去のマツエク問題(美容所登録は必要か否かで回答が分かれた問題)が大きくなった時のきっかけと非常によく似ています。保健所でも質問の仕方で回答が変わることはあります。そこから生まれる解釈の違いからの誤解なども想定されます。もし、保健所の同意が得られる場合は書面で質問し、書面で回答いただき、保管いただくことをお勧めします。
【参考資料】
いわゆる「まつ毛パーマ液」による危害発生に鑑み、問題提起及び取り扱いについての指導に関する国民生活センターの発表や厚労省通知が行われています。以下PDF資料をご確認いただきますようお願いいたします。
独立行政法人 国民生活センター発表 ※記者説明会資料
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20190808_2.pdf
厚生労働省健康局及び医薬食品局から各都道府県衛生主管部(局)長宛 通知
http://www.tokyo-eiken.go.jp/files/k_yakuji/i-sinsa/cosmetics/tsuuchi/200409160916001.pdf