サンドイッチ技法、バインディング技法など様々な呼び名のあるワンバイツー(挟み込み装着)技法は以前から存在する技法ですが、最近では薄型扁平形状のフラットタイプ人工毛(松風名スマートラッシュ)の登場により一部のメーカーやサロンでメニュー推奨されています。
一般的な丸型人工毛を使わず薄型扁平形状人工毛を地まつげの上下につけたり、ボリュームラッシュのような極細毛をミックスしたり様々なタイプの人工毛を使用する方もおられます。
■メリット■
接着強度が上がり、非常に長持ちするのが最大の特徴です。
グルーの量が増え使用する人工毛が2本以上になるため、見た目のボリューム感の増大につながります。
■デメリット■
グルーの量が増えるため、軽くて柔らかい人工毛を使用しても仕上がりは重く固くなる傾向があり、使用した人工毛のメリットが減少します。
まつげの成長が遅い人ほど装着後の綺麗な状態が長続きするため、再来店までの期間が伸びることになり来店頻度が減ります。
また、詳細は後述※しますが、従来比較で2~3倍の施術時間もかかることからメニュー料金は通常メニューの2倍程度が妥当な料金であると考えられるため、価格設定を間違えた場合には限度を超えた利益率低下に陥ることもあります。
※隣の毛とくっついてもかまわないという海外で多く見られる変形ルールを適用すれば施術時間は従来と大差ありませんが、隣の毛とくっつけてはいけないという基本的ルールを遵守する日本式では非常に施術時間を要します。地まつげが束状に接着してしまわないよう、安全にかつ綺麗な仕上がりを目指して装着すると、従来のワンバイワン装着と比較した場合に3倍前後の施術時間を要する点が最大のデメリットであると言えます。
また、リムーブの際にも装着本数分の手間がかかることは言うまでもありません。
まつげが痛むかどうかという点については、傷みやすいという可能性は考えられるものの、科学的な分析が困難であるため、痛むと断定するに値するだけのエビデンスがないことから、明確なコメントは差し控えます。
尚、ベテランの技術者が1本のまつげに複数本をつけるのは問題ないかと存じますが、知識・経験の浅い技術者による海外式施術では、「毛周期の乱れによるまつげ減少・グルーの過剰塗布や硬化時間が遅くなることによる皮膚炎リスクの増加」など看過できない事態の発生も考えられます。
お客様に必要であれば選択肢の1つとしてメニューに取り入れることもあろうかと存じますが、メニュー確定に際して、施術ルールはもちろんのこと、料金設定についても慎重なご検討が望まれます。