グルーの主成分であるシアノアクリレートは、空気中の水分等によって増粘硬化が開始されます。
増粘硬化の反応性は水分質量の影響を受ける他、施術空間(室内)におけるpH値状況によっても変化が生じます。
ラッシュリフト薬剤の成分に関しましてはアルカリ性揮発物質が含まれておりますので、基本的にはヘアサロン環境下用グルーのご利用をお勧めすることとなります。
実際にラッシュリフト/まつげカールをメニューインされたサロン様から『The Glue 084(旧ギプス)が早く固まってしまう』とのお問い合わせがあった際、現物検証の結果はグルー製品上の不具合ではなく、ご使用環境上の問題:「まつげパーマ液から発生するアミンに反応してグルーの硬化が急速に行われること」が原因であるとの結論に至ったため、ヘアサロン仕様グルーご利用への切り替えをお願いした事例もございます。
また、(理想的な硬化状態を担保する上で)まつエクの施術前には同一まつげへのパーマ施術をお控えいただくという対策とは別に、同日に他のお客様へのまつげパーマ施術があったとしても十分な換気を行っていただくことで、ある程度の空気中のアンモニアガス濃度を下げることは可能であると言えます。
「その(アンモニアガス濃度低下)実現がどの程度であるかによってご選択いただくグルーも異なる」という点へのご理解をお願いする次第です。
1種類のグルーのみではどうしても対応が難しい環境の場合、「複数種類のグルーを用意し、その時々の環境に合わせて使い分けを行う」という対策を取られているサロン様も見受けられます。